「女優発掘に定評」太田監督が見つけた“原石の輝き”越後はる香 「明日にかける橋 1989年の想い出」30日公開 (1/2ページ)
1989年。平成という時代が始まった年。もしもう一度、あの日に戻れるなら…。30日公開の「明日にかける橋 1989年の想い出」はそんな切なさに満ちている。
1989(平成元)年の7月。高校生だったみゆきは弟に心ない言葉を投げた。その直後、弟は交通事故に遭い、死んでしまう。その日から、母は心を病み、父は酒浸りになってしまった。
そして今。みゆき(鈴木杏)は将来を諦め、退屈な日々を過ごしていた。明日橋(あしたばし)には「願いごとをして全力で走れば、願いがかなう」と言い伝えがあった。酔った勢いでみゆきは橋を走る。気がつくと、そこは1989年7月。事故の前日だった。
弟を救うため、家に向かったみゆきは、父(板尾創路)がいかに自分を愛してくれていたか、母(田中美里)がどんなに彼女を応援していたかを知る。高校生の自分からオバサン呼ばわりされるが…。
そして、弟を救えば明るい未来が来ると信じていたのに、その後、思いも寄らぬ出来事が…。このあたりのハラハラドキドキがハリウッド的に感じられるのは、監督の太田隆文がアメリカで映画を学んだ映画術の賜物というべきか。
「ザ中学教師」(92年)でも個性的な美術教師を演じていた藤田朋子が、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の科学者、ドクよろしく型破りなキャラクターの教師を好演している。