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【元文春エース記者 竜太郎が見た!】高学歴エリート、なぜ暴走!? オウム死刑囚を駆り立てたものは… (2/2ページ)

 オウム一色のニュースのなか、私も取材の真っただ中で、刑執行された「裏のトップ」早川紀代秀元死刑囚(68)の愛人を見つけてインタビューし、教団幹部の俗物的本性を暴く記事を執筆した。ロシアの外電を細かく調べていたら、早川元死刑囚が銃器や戦車、ミサイルを調達し、本格的に教団を軍事化しようとしている事実を知り、背筋が凍った。サリンをヘリコプターで東京上空から空中散布するという計画は具体的に進んでいたのである。

 幹部の多くは私と同世代。高学歴エリートが尊師に帰依し、結果、多数の無辜(むこ)の人の命を奪うという暴挙に出たのは、なぜだったのか。彼らを駆り立てたのは教祖の麻原元死刑囚なのか、それとも集団心理による暴走なのか。だが残念なことに、事件の真相は、オウム死刑囚から語られないまま終わってしまった。

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』を出版。

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