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【大人のエンタメ】背景となる学生運動の描き方に妙味…ヌーベルヴァーグの旗手、ゴダール監督を描く 「グッバイ・ゴダール!」13日公開 (1/2ページ)

 13日公開の『グッバイ・ゴダール!』は『勝手にしやがれ』(1960年)『気狂いピエロ』(65年)で知られるフランス・ヌーベルヴァーグ映画の旗手、ジャン=リュック・ゴダール監督を描いた珍しい劇映画だ。

 原作が彼の2番目の妻だった女優、アンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説だけに、ゴダールファン必見なのはもちろんだが、物議を醸したゴダールの発言や素顔をうまく映像化しているため、誰にとっても楽しめる作品に仕上がっている。

 ドラマは主人公のアンヌ(ステイシー・マーティン)が世界中から注目される気鋭の映画監督、ゴダール(ルイ・ガレル)と恋に落ち、彼の新作『中国女』(67年)で主役を演じるまでをコミカルに描写していく。

 60年代後半が舞台とあって、恋愛関係にある2人が学生集会や街頭デモに参加するシーンが出てくる。時代状況がリアルかつ丁寧に再現されているので、懐かしく感じられる人も多いだろう。

 アンヌの恋愛感情が徐々に冷め、2人の結婚生活が破綻していく過程がゴダールの出世作『軽蔑』(63年)を思わせるあたりは、オマージュというよりアイロニーといったほうが正解か。

 本作の制作者は68年の5月革命に敬意を払い、事態の正確な再現に努めているが、映像を見ると革命運動というより革命を夢見る学生たちの反乱といった印象が強く、5月革命を再現した映像自体が、歴史的事件へのアイロニーとなっているのが面白い。

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