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【BOOK】童謡誕生から100年… 加藤登紀子さん、日本人の“心の根っこ”の名曲を語る珠玉の1冊 『こころに生きつづける歌 童謡・叙情歌への想い』 (1/3ページ)

★『こころに生きつづける歌 童謡・叙情歌への想い』加藤登紀子著・歌、共著・二宮清 産経新聞出版 2500円+税 

 ■激動の時代を背景に名曲生んだ童謡運動

 童謡や唱歌を聴くと胸にしみる。幼い日の母の姿や懐かしい故郷の思い出とが重なるからだろう。童謡(創作童謡)が誕生してちょうど100年。大正という自由闊達(かったつ)な時代に生まれ、日本人の“心の根っこ”であり続けた数々の名曲を加藤登紀子が語り、歌う珠玉の1冊。(文・梓勇生)

 --大正7(1918)年7月1日、鈴木三重吉によって児童文芸雑誌「赤い鳥」が創刊。以後「金の船」など同様の雑誌が相次いで出され、新しい童謡が誕生します

 「当時の童謡運動に加わった顔ぶれがすごい。詞は、野口雨情(うじょう)、北原白秋、西条八十(やそ)、三木露風など。曲では、中山晋平、本居長世(もとおり・ながよ)、山田耕筰ら、一流の詩人、音楽家が子供たちのために、気持ちをひとつにして新しい童謡をつくりました」

 「それは、唱歌の多くが『(つまらなくて)学校の中でしか歌われない』といわれていたので、それに対抗して始まった運動なんです。『赤い靴』『七つの子』『赤とんぼ』…。子供たちが楽しく歌えて、芸術性も高い」

 --中でも、野口雨情の詩に強く惹かれていたそうですね

 「世を憂う民衆詩人というのかな。波乱に満ちた野口雨情の人生に惹かれましたね。北茨城の裕福な家に生まれながら、仕事もうまくいかず、家庭生活もままならない。雨情の詩には、実人生の辛くて悲しい思いが込められています」

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