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【シネマパラダイス】民族の対立を濃密な法廷劇に仕立てる 「判決、ふたつの希望」

 米アカデミー賞外国語映画賞の候補になった初のレバノン映画だ。ジアド・ドゥエイリ監督はレバノンの首都ベイルートで生まれ、米でクエンティン・タランティーノ監督の撮影助手をしていた。そんな彼の長編第4作で、民族の対立を濃密な法廷劇に仕立てている。上映時間113分。公開中。

 ベイルートに住むレバノン人のトニー(アデル・カラム)は、パレスチナ人のヤーセル(カメル・エル=バシャ)=ベネチア国際映画祭最優秀男優賞受賞=といさかいを起こす。ヤーセルの悪態が許せないトニーは、法廷闘争に持ちこんだ。裁判が大々的に報道されて政治問題になり、ついに暴動がおきる…。

 【ホンネ】口論が大騒動になる過程と、裁判で明らかになるトニーの過去に目はくぎ付け。背景にはレバノン人とパレスチナ人の政治や宗教的対立があるからややこしい。終盤の「歴史は変えられない。歴史を踏まえて進む」という言葉が日本人の胸に響く。(映画評論家・おかむら良)★★★★☆

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