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【BOOK】高見澤俊彦「大谷選手を見習って…」 音楽と小説の“二刀流” (1/3ページ)

★『音叉』文藝春秋1700円+税

 「THE ALFEE」のリーダーでギタリストとしては超有名だが、今回はもうひとつの顔を開封。昨年「オール讀物」9月号に初執筆した小説『音叉(おんさ)』は以後3回にわたり連載され、このほど単行本化された。歌手デビュー45年にして、ギターをペンに持ち替えた心境に迫った。(文・高山和久)

 --ミュージシャンとしての顔と同様に華やかな表紙での本格小説です

 「高校の頃から小説を書くのがひとつの夢だったので個人的な達成感は強いですね。最初は小説なんて書けるとは思いませんでしたが、子供の頃から本を読むのが大好きだったので、うまくかみ合った感じです」

 --タイトルの意味は

 「小説はまだネットがない頃の1970年代をテーマに恋愛物語も織り込んだ青春群像。ネットのない時代に青春時代を送ったボクらは彼女や仲間と連絡を取り合うのも大変だった。イエデン(家電=固定電話)ですからね、相手の家族が出ない時間を見計らって掛けたりとか苦難を乗り越えて連絡し合うから男と女、友人関係が密だった。楽器の世界も同じで、チューニングはデジタルやアプリで手軽に合わせられる。ボクらはチューニングの道具である音叉を手掛かりに、自分の耳だけを頼りにしていた。そういうアナログ時代の象徴としての『音叉』なんです」

 --舞台は70年代

 「編集の方から『音楽を45年続けてきたという部分を前面に出して書いてみたら』とアドバイスをいただき膨らませていきました。バンドが中心のストーリーにすれば自分自身と照らし合わされるだろうと思い、まったく逆の人間像をつくったんです。物語のバンドは真剣にミーティングしますが、大学時代のボクらメンバーは会えば麻雀ばかり。たまに練習しようとなると、桜井(賢)が来なかったりしてね。THE ALFEEとはまったく違う部分を強調しました」

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