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映画「億男」から透けて見える落語の名作「芝浜」 (1/2ページ)

 人を殺めたり、だましたり、人間性をむき出しにする金は日常と犯罪の境界線を緩める。

 10月19日公開の映画「億男(おくおとこ)」。タイトルからは金のにおいがプンプンするが、映画を見ると、あらら落語の香りが…。透けて見えるのは、歌舞伎でも上演される名作「芝浜」が描く知恵だ。

 俳優の佐藤健が演じる一男と、高橋一生が演じる九十九(つくも)は大学時代に落語研究会で切磋琢磨した間柄。卒業後はまったく別の道に進んでいた。

 九十九は仲間と起業した企業の売却話が舞い込み、数十億円の資産を手に入れることになる。

 一方の一男は、兄の保証人になったばかりに3000万円の借金を背負うハメに。昼は図書館司書として働き、夜はパン工場で働きながら借金を返済しているが、完済できるのは自分の最晩年あたり。お先真っ暗というやつだ。妻は娘を連れて家を出た。

 そんな一男が久々に九十九と会うことになった。理由は億万長者の九十九なら、3億円の有効な使い方が分かるかもしれないと考えたからだ。一男は宝くじで3億円が当たったのだ。大金が人生を狂わせることが多いと受取窓口で説明され、そうならないための指南役として成功者=九十九に頼った。ところが…。

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