記事詳細

【生誕90年・花登筺どてらい世界 ペリー荻野】星由里子の水商売役に多くの共感 “よろめきドラマ”の代表作「ぬかるみの女」 (1/2ページ)

★(4)

 上方喜劇やど根性ドラマで人気を得た作家、花登筐は、“よろめきドラマ”枠といわれた昼ドラマの世界でもヒット作を連発した。その代表作が「ぬかるみの女」(1980年)だ。主演は2018年に急逝した、花登の3人目の妻である女優、星由里子だった。

 お嬢さま育ちだったが、放蕩(ほうとう)三昧で暴力までふるう夫と離婚を決意した文子(星)は3人の子のため、大阪に出て水商売の世界に飛び込む。仕事はミナミのキャバレーで客の相手を務めるダンサー。指名客がつけば収入が増える。文子は清楚な美貌と賢さで指名客を獲得して売れっ子になるが、ライバルからは激しい嫌がらせを受ける。

 女の園の愛憎、男たちとの出会い、母としての苦悩など、文子の苦労は続く。ここでいい味を出していたのが、アケミとキヨミ。文子のライバルダンサー、アケミ(真木洋子)は文子に借金させ容赦なく取り立てる。どぎつい化粧に蓮っ葉な物言い。真木はNHK連続テレビ小説「藍より青く」(72~73年)のヒロインだったが、ここでは鋭い目つきで文子を威嚇する女豹のような演技で新境地を見せている。

 一方、店の先輩の清美(水野久美)は、「お客さまがいらしたら、まずこうして」と接客業の基本を文子に教え、陰ながら彼女を助ける。常にフェアな態度で気持ちいい女性だった。水野は、この役のおかげで、プライベートで銀座のバーなどを訪れると、『清美さんが来た』と店の女性から大歓迎されたという。

関連ニュース