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【大人のエンタメ】ジャズは「分からないもの」でいい ドラマー・大坂昌彦がアルバム『TRICOLLAGE』を発売

 ジャズ・ドラマー、大坂昌彦(52)のリーダー作「TRICOLLAGE(トリコラージュ)」(キング)は、さまざまな実験心が詰め込まれた異色作だ。

 大坂とベースの川村竜に、メロディーを奏でるピアノや管楽器が加わるトリオ編成で構成される異色のアルバム。クールで大人っぽさを漂わせるサウンドは、聴く者にさまざまなイマジネーションを与えてくれる。

 「ドラムとベースに、メーンアクターが変わっていく感じ。ドラマーというのは、自分の音楽をプロデュースするコンダクター(指揮者)に近いのかな」

 さらに“ジャズ界きってのハイレゾ通”といわれる大坂だけあって、編集なしの超高音質録音というこだわりも話題だ。

 「天井の高い大きなスタジオで一発録りに挑戦しました。トリオ編成はひとつひとつの音が持つ空間が大きいのですが、お互いの楽器の音が干渉しあう空気感、振動までが伝わってくる仕上がりになったと思います」

 イージーリスニングとはひと味違うのは、わかりやすくリスナーに寄せようとしていないからだ。

 「ジャズは聴き手が自分で取りにいくもの」と語る大坂は「分かりやすいものが“いいもの”につながるわけではない」という思いがある。

 そこには強烈なジャズの原体験があるからだ。「小学生のとき、新宿ピットインで、エルビン・ジョーンズのライブを見たんです」と振り返る。エルビンといえば複雑なリズムをたたくドラマーとあって「教則本とのギャップがありすぎて、何がどうすごいのかも分からなかった。でも強烈でした」と明かす。

 「子供のためのとか、ビギナー向けのというジャズ集がありますが、あれは間違っていると思うんです。入り口は、やっぱりリアルな衝撃のほうがいい。何だ、この分からないものは! というのが重要なんです」

 まずは聴いてみるべしだ。

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