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【番記者だけが知る女優・樹木希林の壮烈人生】「寺内貫太郎一家」の“妙な手袋”が誕生したワケ (1/2ページ)

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 樹木希林さんが亡くなって3カ月。約5年間もがんと闘いながら最後まで仕事を貫いた人生はすさまじい。30代からこだわった「おばあちゃん」哲学。映画「万引き家族」はその集大成だ。彼女が「おばあちゃん」にはまった人気ドラマ「寺内貫太郎一家」(TBS、1974年)頃から親交を深めてきた番記者が希林さんの知られざる素顔に迫る。

 誕生日は、希林さんが5日早い同級生とあって馬が合った。「寺貫」での彼女は小林亜星演じる主役の実母役。まだ31歳の女優が腰の少し曲がった70代のおばあちゃんを演じるのだから、「女優業で一番の難関だけど、これをものにしたい」と意気込んでいた。

 頭髪を脱色して老け役に挑んだが、映画よりテレビのほうが画像は鮮明のため、おばあちゃんの手がアップで映ると、2階の調整室から「肌がきれいすぎて不自然」とクレームが出る。

 そこで彼女が考えたのが、毛糸の手袋の先を切り取る「指ぬき手袋」。あの妙な手袋はこうして生まれたのである。

 短気な貫太郎は激怒すると必ずお膳をひっくり返す。食べ物は飛び散り食卓は騒然となる。おばあちゃんは騒ぎから逃げるように離れに駆け込むと、仏壇の横に張られた人気絶頂の沢田研二のポスターをながめながら「ジュリー~」と、腰を振りながらもだえる。

 この演出は、久世光彦プロデューサーと相談したそうだが「おばあちゃんとジュリー」の取り合わせの妙は大当たり。

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