記事詳細

【中本裕己 エンタなう】ガガとブラッドリー・クーパーの歌唱力で圧倒 映画「アリー/スター誕生」

 アカデミー賞が近づいてきた。音楽が題材の映画として「ボヘミアン・ラプソディ」とともに注目を集める「アリー/スター誕生」(公開中)。「スター誕生」のリメイクはこれで4作目だが、レディ・ガガの半生記と見まごうほどヒロイン像が憑依している点で、クイーンVSガガ様のオスカー争いともいえそう。

 この映画、なにより歌が秀逸。昼はウエートレス、夜は女装のショーパブで“紅一点”として歌うアリー(ガガ)。世界的シンガーのジャクソン(ブラッドリー・クーパー、監督も)がライブの帰路、ふと立ち寄りアリーの歌声に聞き惚れる。

 2人は愛し合い、アリーはスターへの足がかりをつかんで階段を駆け上がる。反して、頂点を極めたジャクソンは酒浸りとなり転げ落ちていく。お定まりの明暗差がドラマチックに描かれるが、陳腐にならないのは、2人の圧倒的な歌唱による説得力。歌手が本職のガガはもちろん、名優のクーパーがこれほどうまいとは。カントリー調のオールドロックが醸し出す中年男の哀愁には意外な驚きがあった。少し前に見たエリック・クラプトンのドキュメンタリー映画と重なったほどである。

 劇中、グラミー賞を得たアリーが壇上でスピーチする場面がある。もし、ガガが本当にアカデミー賞を受賞すれば、自身の名の由来「レディオ・ガ・ガ」の楽曲を持つクイーンに謝辞を述べるかもしれない。「ボヘミアン・ラプソディ」の“恩”に報いることができるか。 (中本裕己)

関連ニュース