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【中本裕己 エンタなう】黒人刑事がKKKに“潜入捜査”のシリアスコメディー 映画「ブラック・クランズマン」

 黒人刑事が白人刑事とタッグを組んでKKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査した実話が下敷きの映画「ブラック・クランズマン」(公開中)が、じわじわと興行成績を伸ばしている。「マルコムX」のスパイク・リー監督作品とあって、笑いとシリアスの緩急の投げ分けに落差があって強烈だ。

 舞台は、1979年の米西部のコロラド州コロラドスプリングス。初の黒人刑事に採用されたロンは、署内の資料室に配属され、白人刑事の嫌がらせに遭うが、意欲に燃えて最前線での捜査を志願。新聞でKKKの募集告知を見つけ、完璧な白人のイントネーションで「黒人差別ワード」を連発しながら入会にこぎつける。対面するとバレるため白人刑事フィリップと“二人一役”で暗部へと乗り込むが…。

 爆笑していると、世界の今に鉄槌をくだすようなラストがズシリとこたえる。飄々としたロン役のジョン・デヴィッド・ワシントンは、あのデンゼル・ワシントンの長男。フィリップ役には「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバー。迷コンビがKKKをやり込めるシーンは痛快である。

 黒人と白人の相棒同士が“差別”と対峙するという意味では同時期に公開中の「グリーンブック」も同じだが、あちらはマイルド、こちらはスパイスたっぷりの激辛。アカデミー賞の作品賞を「グリーンブック」に持って行かれた瞬間、スパイク・リーが激怒したのもうなずける。 (中本裕己)

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