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【大谷能生 ニッポンの音楽教育150年間のナゾ】「小学校の音楽の授業のときって、なにしてた?」 (1/2ページ)

 前回は、多くの人が「大人になってから楽器を習う」ことについてためらいがあり、その原因は小学校の音楽の授業にあるのではないか、というお話をしました。(【大谷能生 ニッポンの音楽教育150年間のナゾ】小学校の音楽の授業で、僕たちはいったい何を習ってきたんだろう?

 実際、ミュージシャンやライターの友人に、「小学校の音楽の授業のときって、なにしてた? なにを習ったか覚えている?」みたいに聞いてみても、

 「覚えてないなあ」

 「合唱はやったよね。モルダウとか。スナメタ。あれ、スメタナ?」 

 「えーと、赤と青のカスタネットをさ、入れる袋を母が名前入りで作ってくれたのね。それが嬉しかった。」

 などなど、みんな、授業でどんな「音楽」を勉強したのかには、具体的にはまったく思い出せませんでした。

 小学校低学年で教わることは、たとえば「あいうえお」の読み書きみたいな、これから勉強することのためのセットアップに必要な、いわば基礎工事みたいなものですから、その上に積み重ねらてゆく知識に埋もれて、もはやそれを勉強したことを思い出す必要もない「あたりまえ」のものになってしまうことが多いのではないかと思います。算数とかはたぶんそうですよね。でも、音楽に関しては、ちょっと違うのではないか。音楽の授業でやったことが、ぼくたちがいま「音楽」を聴いて(あるいは演奏して)楽しむことの「基礎」になっているようには、あんまり思えない……。じゃあ、いったい、そこでは何を「音楽」として教えているんだろうか?

 ごちゃごちゃ考えていても仕方がないので、ここは実際に、現物に当たってみるのが一番早い、ということで、地元・横浜市に設置されている「教科書センター」にとりあえず行ってみました。別に「教科書センター」といっても、なにか特別な建物があるわけではありません。各市町村の公立図書館のいくつかが、そのように指定されて、これまで検定を受けた教科書を閲覧可能な状態で収集しているということで、要するに、ぼくが普段お世話になっている横浜中央図書館に自転車で行ってみただけなのでした。

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