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【意外と知らない指揮者のオシゴト】バレエとクラシックのファンの架け橋に 新国立劇場バレエ団指揮者・冨田実里 (1/2ページ)

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 オーケストラの演奏とダンサーのパフォーマンスが一体化するバレエ公演。指揮者や楽団はオーケストラピットで演奏している。冨田実里は「60~70人で演奏することが多いです。目線が舞台と同じぐらいの高さになる指揮台が、指揮しやすい。コントラバスのヘッドがピットから突き出ないように配慮も必要です」と明かす。

 子供の頃からピアノやバレエを習い、中高は吹奏楽部でチューバを吹き、指揮も経験。「みんなで音楽を作り上げる楽しさ」を実感し、部活引退後、数多の指揮者を輩出する桐朋学園の指揮教室に通い始めた。

 「堤俊作先生が『現場に来なさい』のタイプで、バレエに関わるスタッフの現場を間近で見るうちに、リハーサルピアニストもするようになって…」

 入学した国立音楽大学ではピアノを専攻。ここで不思議な体験をする。

 「連弾や2台ピアノでいろんな先生の指揮伴奏をしていましたが、指揮者によって、いつもの自分とは違う音色が出たり、難しいところがすんなり弾けたり。『指揮ってスゴい! 直接音を出してないのに、何でこんな音が出るの?』と驚いて、指揮ができるようになりたいと思いました。21歳の頃でした」

 バレエの現場は「さまざまな分野のプロが、違う登山ルートで頂上を目指す感じで、自分の描いた地図通りにいきませんが、通訳し合って進めています」。例えばダンサーが「テンポが違う」と言っても、実は動きに応じて音の軽さや伸び方を変えるとクリアできたりする。

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