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【中本裕己 エンタなう】ミュージカル嫌いの人にこそ見てほしい! 宝田明の怪演も光る映画「ダンスウィズミー」

 ツッコミどころ満載の映画「ダンスウィズミー」(公開中)。かつてタモリが、「突然、歌い出すから恥ずかしい」とミュージカル嫌いを公言していたが、そんな「ミュージカルという荒唐無稽」を見事に逆手に取った快作だ。

 優良企業に勤める才媛が、姪を連れた遊園地でインチキくさい“催眠術師”に遭遇。音楽が聞こえると、歌って踊らずにはいられないカラダになる。スマホの着メロが鳴っても踊り出す。会議のプレゼン中にも。そんな我が身の災難を周囲に当たり散らす様子に、見ているこちらはイラっとする。イラっとさせた矢口史靖監督、さすが。なんとか解決しようと苦心惨憺(さんたん)の後半の展開が尻上がりに面白みを増していくからだ。

 主演はアイドル「さくら学院」出身で、すっかり大人っぽくなった三吉彩花。行方不明の催眠術師を訪ねる珍道中で相棒となる催眠術の元アシスタントに人気ものまねタレントのやしろ優。この凸凹コンビの会話は、そのままコメディーだ。

 そして、特筆すべきは、人々をケムに巻く怪演が光る催眠術師役の宝田明。踊って歌って縦横にエンターテイナーぶりを見せる85歳の名優。思い出したのがオリビア・ニュートン=ジョン主演のミュージカル映画「ザナドゥ」で、なぜだかローラースケートを履いて踊っていたジーン・ケリー。「ザナドゥ」同様に、本作も踊りたくなる音楽が満載。1曲目のスペクトラムには脳天をぶち抜かれた。(中本裕己)

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