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【人気ドラマでみる平成という時代】人の数だけ幸せのパターンはある…視聴者に提示 「結婚できない男」フジテレビ系(2006年) (1/2ページ)

 放送局で番組を作っていた頃、ゲストに阿部寛が来たことがあった。

 交通トラブルがあり、生放送ギリギリの到着となったが、マネジャーよりも先に私の前に立ち、「すいませんでした!」と真摯にわびた阿部。その瞬間から今に至るまで、大ファンの俳優のひとりだ。

 そんな阿部の数多き出演作品の中で、私が一番好きなのがフジテレビ系『結婚できない男』(2006年)だ。

 阿部演じる主人公の桑野は仕事のできる建築家だが、やや性格に難があり、人付き合いがうまくできないタイプ。そのため40歳を過ぎても独身。だが好きなクラシックを聴き、こだわりの料理を食べ、「ひとり」を謳歌している。そんな桑野がある女性に出会い、やがて…という物語だ。

 10月には続編『まだ結婚できない男』が放送されるようで楽しみだ。

 このドラマが素晴らしかったのは、これまでの社会の既成概念を打ち破ったことだろう。長く結婚していないこと、人付き合いが苦手なことは、人間の幸福とは関係なく、人の数だけ幸せのパターンはあるということを視聴者に提示してくれた。実際、ドラマの桑野を笑いながら見ていた人たちも、「こういうのもありか!」と回を重ねるにつれ共感度を増していった。

 「ひとり」といえば、現在までSeason7を数えるテレビ東京系『孤独のグルメ』(2012年~)。松重豊演じる井之頭五郎が気の向くまま、けれどこだわりを持って、ひとり飯を楽しむグルメドラマ。

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