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【シネマパラダイス】不気味なのにおもしろい! 重層的な衝撃作「ボーダー 二つの世界」

 〈スウェーデンのスティーヴン・キング〉と呼ばれる作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの小説の映画化で、彼も共同脚本で参加している。イラン系デンマーク人のアリ・アッバシ監督が美醜、善悪、性別などの境界とは何かを問いかける重層的な衝撃作に仕上げている。上映時間110分。11日公開。

 スウェーデンの税関で働くティーナ(エヴァ・メランデル)は抜群の嗅覚で犯罪を嗅ぎ分けるプロだがひどく醜い。不定期に姿を見せる正体不明の旅人ヴォーレ(エーロ・ミロノフ)に興味をもった彼女は自宅の離れを貸す。彼との出会いでティーナは事件に巻き込まれ、自身の出生の秘密を知る…。

 【ホンネ】犯罪を嗅覚で摘発するヒロインという設定に始まり、「えっ、これは何?」という性的に意表をつくシーンがあるが、修正なし、ノーカット完全版で日本公開される。体重20キロ増、特殊メークに4時間で主演した俳優の素顔が見たい。北欧ノアールとロマンスとファンタジーが渾然一体で、不気味なのにおもしろくグイグイ引き込まれた。(映画評論家・おかむら良)★★★★☆

 ★5つで満点

 ☆=星半分

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