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女優の八千草薫さん死去、88歳 映画「宮本武蔵」やドラマ「岸辺のアルバム」出演

 テレビドラマ「岸辺のアルバム」などで知られる女優の八千草薫(やちぐさ・かおる、本名・谷口瞳=たにぐち・ひとみ)さんが死去したことが28日、分かった。88歳だった。大阪市出身。

 昭和22年、宝塚歌劇団に入団。26年に映画「宝塚夫人」で脇役としてスクリーンデビュー。清楚で愛らしい雰囲気が人気を呼び、三船敏郎主演「宮本武蔵」(稲垣浩監督、29年)のお通役や、30年の日伊合作「蝶々夫人」のヒロイン役に抜擢(ばつてき)され、注目を浴びる。32年に歌劇団を退団し、映画監督の谷口千吉氏と結婚。

 その後、「男はつらいよ・寅次郎夢枕」「田園に死す」「ハチ公物語」などに出演するが、活動の主軸はテレビドラマだった。駐在所の巡査の妻を演じた「うちのホンカン」(50年、倉本聰脚本)など良妻賢母の役が強かったが、「岸辺のアルバム」(52年、山田太一脚本)では不倫に走る妻を演じ、自らのイメージの幅を広げた。やることなすことピント外れの長女を演じた「ちょっとマイウェイ」(54年)や、父をめぐる四人姉妹の葛藤(かっとう)を描いた「阿修羅のごとく」(55年、向田邦子脚本)の二女役などで好評を得た。最近も平成18年のドラマ「白夜行」などに出演していた。

 9年に紫綬褒章、15年には旭日小綬章受章。

 八千草さんは今年2月、がんを患っていることを所属事務所が公表。昨年1月に膵臓(すいぞう)がんの手術を受けたが、今年に入って肝臓にもがんが見つかった。このため、出演予定だったテレビ朝日系のドラマ「やすらぎの刻(とき) 道」のヒロイン役を降板し、出演が内定していた他の作品も辞退。治療を続けていた。(産経新聞)