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【ぴいぷる】女優、モデル・モトーラ世理奈&映画監督・諏訪敦彦 「自分と違う私がいた」「みんな彼女の自然体の演技に驚いた (1/2ページ)

 死別した大切な人と、もう一度、話したい…。

 そんな願いをかなえてくれる電話があるという。

 岩手県大槌町に実在する電話ボックスをモチーフに、映画「風の電話」(24日公開)は作られた。

 「これまでは、どう演じていても、必ずいつもの私が映画の中にいました。でも今回は違った。自分とは違う私が初めて映っていました」

 9歳のときに東日本大震災で家族を失った主人公の少女ハルを演じたモトーラ世理奈は、試写を見た感想を、こう語った。

 厳正なオーディションでハル役に抜擢されたが、諏訪敦彦監督は一目見た瞬間に、「この人がハルだ。彼女しかいない」と確信した。

 高校生でファッション誌のモデルとしてデビュー後、CMキャラクターなどに次々と採用され、たちまち売れっ子モデルに。父が米国人で母は日本人。そばかすが印象的な愛嬌(あいきょう)ある童顔にすらりと伸びた手足に長身。「一目見たら忘れられない」と言われる圧倒的な存在感から、2018年、パリコレデビューも果たした。

 その透明感あふれる唯一無二のキャラクターは、女優としても注目され、18年、NHKドラマ「透明なゆりかご」、19年は映画「おいしい家族」など、ドラマや映画への出演依頼が相次ぐ。

 「風の電話」ではベテランの実力派俳優、西田敏行や三浦友和、西島秀俊らと共演した。

 西島は「2/デュオ」(1997年)で、三浦は「M/OTHER」(99年)で「諏訪組」に参加した俳優。今回、主人公に挑んだモトーラはまだ演技経験が少ないため、「彼女を支えてもらおう」と、諏訪監督は信頼する“諏訪組のベテラン”で脇を固めたのだが、その期待は、いい意味で裏切られた。

 「演技経験豊富な実力派たちが、みんな、彼女の自然体の演技に驚き、高く評価していました。彼女だけの時間がそこに流れている。ハルの役でも、黙っている時間が長いのに、見ていて全然、飽きないんです」

 撮影当時、まだ20歳だった新進女優の才能に一番驚いたのは、「不完全なふたり」(2005年)や、仏の国民的ベテラン俳優、ジャン=ピエール・レオー主演の「ライオンは今夜死ぬ」(17年)など、何本も日仏合作映画を撮り続けてきた国際派の重鎮監督だったのかもしれない。

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