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【桂春蝶の蝶々発止。】米アカデミー賞、松たか子さんの着物がすごかった… 着物一つにも歌舞伎界“秘密のドラマ”が! (2/2ページ)

 お客さまへのあいさつ回りも大変です。「アポを取らない」というルールがあるようで、遠方でも新幹線に乗って訪ねていき、留守だったら「また次の日に」と…まあ苦労されてますよね。

 歌舞伎鑑賞は入場料も高く、お客さまにとっても「晴れの舞台」です。女性客はこぞって着飾り、最大限のおしゃれをして劇場へ足を運ぶ。その時のお召し物はズバリ、着物です。

 では、その時、受付で迎える役者の妻たちが、豪華絢爛(けんらん)・金銀刺繍(ししゅう)の西太后みたいな衣装で迎えたら、お客さまはどんな気持ちになります?

 「しょぼん」となってしまいますね(笑)。披露宴の時、司会者が新婦よりも地味な衣装を選ぶのに似ています。お客さまより目立ってはいけない。ですから、色彩はあくまで落ち着いたものになるのです。

 歌舞伎のタニマチには文化水準も高い「うるさ型」もおられます。梨園の妻が、どんな着物を選んでいるか、その格もビシビシ精査している。

 もちろん、松さんは梨園の妻ではありません。でも、松本家が選んだ以上、歌舞伎界の舞台裏で繰り広げられる女性たちの「花いくさ」。私には鎧兜(よろいかぶと)にも見え、見惚れずにはいられませんでした。

 ■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。

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