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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「挑む」》オスカーを救った「パラサイト」 (1/2ページ)

 先日、米ロサンゼルスで開かれたアカデミー賞の発表・授賞式を取材した。アカデミー賞では、バックステージも特別な雰囲気に包まれている。取材陣が記者会見場に入るためには「ブラックタイ」のドレスコードが求められるのだ。

 人生で着用したことがないフォーマルなロングドレスをレンタルし、いざ会場へ。記者会見場には各部門の受賞者のみが登場し、世界中のメディアの質問に答える。モニター画面に映し出される授賞式の様子を見守りながら、同時に記者会見も行われ、あわただしい作業が進んでいくのだ。

 最初に会見場に現れたのは、助演男優賞を受賞したブラッド・ピットさん。俳優としては初受賞でいきなりの有名俳優の登場に会見場の士気も盛り上がった。各部門の発表がテンポよく進む中、韓国映画の「パラサイト 半地下の家族」への期待が高まり始めた。脚本賞、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)、監督賞を受賞すると、「作品賞はパラサイトで決まりだろう」と周りの欧米のメディアは完全に応援団と化していた。そして作品賞が発表されたときには「オーーー」とうねりのような歓声と拍手がバックステージでも沸き起こった。同作のファンの多さを物語っていた。

 米メディアでは、初の外国語作品の受賞に歴史的な快挙とたたえるだけでなく、「パラサイトがオスカー(アカデミー賞)を救った」として、性別や人種の偏狭さが指摘されるハリウッドにとって、救世主だったとする報道が目立つ。

 米国人とアジア人とではスピーチの仕方は異なるとはいえ、作品賞の受賞後には「パラサイト」の女性プロデューサー、クァク・シネさんが「この瞬間、とても象徴的な歴史が作られた」などと短く語ると、照明はあっという間にプレゼンターに切り替わった。観客が盛り上げて再び「パラサイト」の製作、出演者たちに照明が当てられたが、この一幕に、アカデミー賞の冷たさを感じ取ってしまった。

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