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【桂春蝶の蝶々発止。】芸能界に「左翼的」な人が多いワケ 平時しか舞台なし (1/2ページ)

 私は最近、「いたりきたり」という落語を、よく高座にかけています。これは「爆笑王」という異名をとった桂枝雀師匠の創作落語で、後半部分は春蝶なりに一から書いたものにしております。

 この一席について、私は「桂枝雀の相対性理論」と位置付けています。説明すると、人間とは常に相対しているものであり、反対側から見てしまうものではないかと。同じところを見ていても、どちらから見るかで意見は異なる。異なっているのだが、実は同じものを見ている。

 例えば、こちらが「5時45分だ」と言っても、あちらは「それは違う、6時15分前だ」と言う。同じことを言っているのに見方が違うだけで人はもめてしまうので、相手の立場になって見てあげることが大切だと。相手のサイドで物事を客観的に見ると、自分の心が落ち着いてくる…そんな考えを独特のウイットで伝えていく噺なのです。私はこの噺にとても共鳴しました。

 そういえば、それを体感することが最近いくつかありましてね。新型コロナウイルス騒動で、ある仕事がキャンセルになりました。その仕事は刑務所の慰問です。服役している人たちに落語を届ける仕事だったんですが、キャンセルです。

 私は不思議に思ったんです。刑務所って常に団体行動で、塀で守られている。コロナが何か関係あるの? と。

 それを仕事仲間にいうと、「春蝶さんがウイルスを運んでくると思われたんじゃない?」と言われましてね(笑)。

 確かに、これも相対性であり、状況が変わると立場も変わる。何なら「善悪」ですら逆転するのです。とても勉強になりました。

 もう一つあります。

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