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【歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡】デビュー曲17万枚で満足するな! 300万枚売る戦略を考えろ (1/2ページ)

 中森明菜のデビュー曲『スローモーション』はチャート初登場58位(5月10日付、オリコン調べ)だったが、その後、次第に注目され、発売2カ月半後の7月26日付で30位に異例のジャンプ・アップ。2週連続で30位をキープした。

 「結果的に39週間にわたって100位圏内にとどまったわけですから、結果的にはクリーンヒットといっていい。業界的な知名度はイマイチだったかもしれませんが、デビュー後の明菜さんはどちらかというと目立たない感じながら、着実にファンを増やしていた。ユーザーの注目度では、おそらく新人の中ではトップクラスだったと思います。店頭で直接、ユーザーと接していたので分かるのですが、歌唱力も当時の新人ではピカイチでしたし、その盛り上がりは肌で感じましたね。おそらく業界とユーザーの間に、かなり遊離した部分があったと思います」

 東京・池袋の老舗レコード店「五番街」で販売を担当していた店員は当時をそう振り返った。

 セールス的には16~17万枚だった。ワーナー・パイオニアで明菜のプロモートを担当していた富岡信夫氏(現モモアンドグレープスカンパニー代表取締役)はいう。

 「新人のセールスとしては決して少ない数字ではなかった。ただ新人としても巨額な宣伝を費やしていましたから、上の人間からしたら、その倍近く…できれば30万枚ぐらいは行ってほしかったんじゃないでしょうか」

 そんな「社内事情」が分かっていただけに、明菜の制作と宣伝を統括していた寺林晁氏(現エイベックス・エンタテインメント レーベル事業本部アドバイザー)が、第2弾でデビュー曲に近い路線の『あなたのポートレート』とはまったく違う路線の『少女A』に変更しようとした気持ちも十分に理解できた。

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