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【立川志らべ 週間BSマップ】“女衒”って言葉、覚えてもらったら落語の苦慮が減る!? 「名もなき復讐者 ZEGEN」

 もう何十年も前から落語家が苦慮しているのは、言葉の問題です。“吉原”ってわかる? “へっつい”は? “幇間”は?…。挙げているとキリがないです。お金の単位なんかは本当に困る。十文、一分、一両と、これらがどれくらいかがなかなか伝えづらいのです。

 でもときどき、落語でしか聞かないような言葉をテレビで聞いたりするとちょっとうれしくなります。先日も、人気刑事ドラマを見ていて、主人公に「あなたも粗忽ですねえ」というセリフがあったときは妙な喜びがありましたね~。

 30日深夜24時30分からBSフジで放送されるのがドラマ「名もなき復讐者 ZEGEN」です。

 ZEGEN。この言葉ももうわかりにくくなっていますが、“女衒”と書きます。これは、女の人を買い付け、遊郭などに売ってしまう人身売買の仲介業のことです。

 30日の第1話は、こんなストーリー。中国にいる病床の夫の治療費を稼ぐために日本へ出稼ぎにきた中国人女性・李雪蘭(馬場ふみか)は、夜の街で出会った“ZEGEN”と名乗る男(阿部進之介)に川崎のマッサージ店を紹介され、店長の直井(遠藤雄弥)や同僚の明菜(永尾まりや)に支えられながら懸命に働き始める。ZEGENは声をかけてきた女性に仕事を斡旋し、アフターフォローも欠かさないことで評判が高かった。ある日、ZEGENは港町で水産加工場を営む佐藤幸造(杉本哲太)のもとを訪れ…。

 次週も見たくなってしまう第1話です。悪い奴のお手本のような女衒という存在を、いい人のように描いていくことでグッと引き込んでいきます。さらに、馬場ふみかが熱演する中国人女性が実にけなげで、この子が風俗のマッサージ店で一生懸命働く姿は、世の男性が大いに感情移入するところでしょう。

 ぜひ見てほしい。そして、女衒という言葉が広まり、私が落語の中で「女衒じゃねえんだから!」という突っ込みのセリフを言っても、キョトンとしない世の中になればいいなあ…。  (立川志らべ)