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【元文春エース記者 竜太郎が見た!】木村花さんの死、SNSに偏るテレビ業界の責任も重大 (2/2ページ)

 「取材はネットの便利さに頼っているのが現状のなか、両論併記してバランスを取るのがテレビ作りとして絶対条件なので、その意見が全体のどの程度の割合だとか、発信者とか調べないし、そんな余裕もない。極端なコメントでも面白ければピックアップするし、結論が出なくても『SNSで盛り上がっています』と世論っぽく紹介して済ませます」(情報番組ディレクター)

 しかしSNSでコメントしているのは一部の層だけではないか。コメントしない人の潜在的な数は考慮せず、SNSイコール社会全体という思考は非常に危険だ。ツイッターでは1人が多数のアカウントを持ち、邪悪な裏の顔で誰かを攻撃するのが当たり前の光景。ネットでいじめ対象を探し続けるモンスター級の悪魔も存在し、フォロワー数を人工的に増加させる専門業者も繁盛。実態不明の塊が異常なパワーを持っている。そんな狂気の沙汰に、テレビが丸乗っかりしていいのだろうか。

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に著書『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』(文藝春秋)を出版。

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