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【歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡】沢田研二のために作詞した「ロリータ」が…“明菜バージョン”「少女A」に (1/2ページ)

 「少女A」。

 「新人の作詞家といっても、さすがに広告代理店上がりのコピーライターだけあって、キャッチでインパクトのあるタイトルをつけるよね」

 ワーナー・パイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)内では、デビュー曲とはガラッと変わった楽曲に不安視する販売担当者もいたが、一方で「タイトルも歌詞もインパクトがあってイケるかもしれない」という評価も多かった。

 作詞は駆け出しの売野雅勇だった。

 「既成の作家ではなくシンガー・ソングライター系、そうでなければ新人作家を起用した作品づくりを心がけるように」

 明菜の制作宣伝を統括していた寺林晁氏は、これまでにない斬新な作品で勝負したいと考えていた。アイドルの作品にシンガー・ソングライター系のアーティストを積極的に起用した前例があった。松田聖子だ。稲垣博司氏(元ソニー・ミュージックエンタテインメント代表表取締役副社長)は振り返る。

 「山口百恵が引退して、さて、どうしたらいいのかと思っていた時、ウチのオーディションで合格したのが聖子でした。彼女の場合、もともとは平尾昌晃音楽学校(現平尾昌晃ミュージックスクール)の出身だったので、本来なら平尾さんに曲を作ってもらうのが筋なんですが、当時の宣伝担当者がディレクターに『聖子(の作品)はシンガー・ソングライター系で行きましょうよ』と提案をしたのです。結果、小田裕一郎をはじめユーミン(松任谷由実)や財津和夫、大滝詠一、細野晴臣らを起用することになるわけですが、実はそれが斬新でした。もちろん明菜さんの場合も、戦略としてその路線でスタートしたのでしょうが、結果的に聖子と明菜は、そんな部分でも比較されるようになったと思いますね。ただボーカル力、表現力は明菜さんのほうが圧倒的でしたけどね」

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