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【ぴいぷる】映画監督・小田香「自分が知らない世界を撮り続けたい」 地中、水中…“未知の世界”が撮る原動力 (2/3ページ)

 以来、「表現することを仕事にしたい」と方向は定まったが、「映画監督という具体的な目標は持てなかった」と振り返る。しかし、その照準は世界へと向かっていた。

 関西外国語大学短期大学部で英語を専攻。2年後、米ホリンズ大へ転入し、映画コースで学んだ。

 卒業制作で撮った「ノイズが言うには」が、なら国際映画祭で観客賞を受賞。映画祭のスタッフに「ベーラ監督を尊敬しています」と話したら、ベーラが映画人養成の学校を作る計画がある、と教えてもらい、審査のために同作品を送ったところ合格。2013年、サラエボに創設された「フィルム・ファクトリー」の一期生として留学する。

 「映画学校といっても、閉校された私立大学一棟を借りているだけで、編集室も撮影機材もない状態でした。まさか生徒自らイスや机から調達するとは思いもしませんでした」と苦笑する。

 一期生はポルトガルやメキシコ、タイなど世界中から集まった17人。「日本人は私だけ。3年後、卒業できたのは9人だけでした」と語る。

 卒業制作の映画が、炭坑に潜って撮った「鉱 ARAGANE」(昨年公開)だ。

 在学中、欧州屈指の埋蔵量を誇るブレザ炭坑に通い続けたという。「当初は石炭を描いた小説の映画化を構想していたが、取材中、炭坑と炭鉱夫に魅せられて…」と明かす。

 映画の魅力は、「未知の世界を知ること」が持論。だから観客に「真っ暗闇の地下の炭坑の世界をスクリーンで体感してほしい」と話す。

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