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【特撮の神様 円谷英二の世界】マタンゴ 「スモーク円谷」の異名発揮した恐怖のキノコ! (1/2ページ)

 今やカルト映画の傑作として認知される人間の本質を描いたサスペンスホラー。原作はウィリアム・ホープ・ホジスンの「闇の声」。「SFマガジン」編集長だった福島正美の脚本だ。

 特撮技師として「ホリゾント撮影」や「フェイド・イン」「疑似夜景」などを編み出してきた円谷英二だが、他の撮影仲間からは何をやっているのかわからんと思われ、「ズボラヤ」と陰口をたたかれていた。煙をたく手法をよく使うので「スモーク円谷」との異名も。「マタンゴ」ではそれが存分に発揮された。

 キノコで覆われた孤島で繰り広げられる異色のストーリー。「マタンゴ」のネーミングはパンフレットの製作ノートによればキノコの一種「ママダンゴ」から取られたとのこと。ラストに星新一の意見を取り入れた。

 その声は「ウルトラマン」のバルタン星人や「ウルトラQ」のケムール人に流用された。ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」の予告編でもうめき声として使われたという。

 撮影は伊豆大島と八丈島で行われたが、スタッフはマムシやムカデにおびえながらで大変だったそうだ。青年実業家・笠井役の土屋嘉男は霧に似せて煙をたいたところ、木からたくさんの虫が落ちてきて演技どころではなかったと語っている。

 キノコは風月堂に作ってもらった菓子。笠井の愛人役だった水野久美は気に入っていつもつまみ食いしていたという。

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