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【シネマパラダイス】今のシリアの現実に打ちのめされる 「シリアにて」

 ベルリン国際映画祭で観客賞を受賞した緊迫の社会派サバイバル・スリラー。いまだ内戦が続くシリアの、ある一家とその隣人に迫る悲劇を、アパートから一歩も出ずに描き切る。監督はベルギー出身のフィリップ・ヴァン・レウ。22日公開。1時間26分。

 一歩外に出ればスナイパーに狙われる市街戦が収まらないシリア。母オームは3人の子供と年老いた父、隣人ハリマの一家を、自身のアパートの一室をシェルターにして守っている。そこへ、2人組の強盗が押し入ろうとやってくる。

 【ホンネ】町から脱出するかしないか、戸をたたくのは敵か味方か、いろんな決断や心理的圧迫が連続、人間の本質があぶりだされ、本気で悲鳴を上げそうに。アパートから出ることなく終始緊迫感を絶やさぬ手腕が秀逸。しかもそれが今のシリアの現実、という衝撃に打ちのめされる!(映画評論家・折田千鶴子)★★★★

★5つで満点、☆=星半分