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【あの人も愛した 京ぎをん浜作】支払いは映画会社持ちが当たり前の時代に… お代を自分で払った“生意気少女”美空ひばり (2/2ページ)

 映画会社持ちにしなかったのがもう1人。あるとき、1人の少女が浜作を訪れて、「鶴田浩二のお兄ちゃんがおいしいと言っていたのと同じふぐが食べたい」と言い放った。お代は母親が払っていった。その生意気そうな少女、美空ひばりはその後も浜作に通うことになる。

 映画関係者が浜作を使うのは、撮影後ばかりではなかった。当代は大学時代に通った裏千家の東京道場で、作曲家の黛敏郎から、妻の桂木洋子と最初にデートしたのも、松竹の城戸四郎社長に結婚を直談判したのも浜作だったと聞いた。城戸は松竹歌劇団出身で売り出し中の桂木の結婚には反対だったが、結局納得したのも浜作の味のおかげか。

 ■大野裕之(おおの・ひろゆき) 脚本家、演出家。1974年、大阪府生まれ。京都大学在学中に劇団「とっても便利」を旗揚げ。日本チャップリン協会会長。脚本・プロデュースを担当した映画に『太秦ライムライト』(第18回ファンタジア国際映画祭最優秀作品賞)、『葬式の名人』。主著に『チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦』(岩波書店)など。

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