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【あの人も愛した 京ぎをん浜作】喜劇王チャップリンが堪能した日本の味 (2/2ページ)

 半世紀後、初代の孫、森川裕之さんはチャップリンの孫、チャーリー・シストヴァリスさんを招待した。「あなたのおじいさまが愛した料理を作ります」と三代目は初代と同じ包丁の美技を披露してウズラを調理し、孫は半世紀前と同じように拍手喝采した。おいしくたいらげた孫チャーリーは、サインの代わりに音楽通の三代目のために「ある昼下がり、桜の木の下にあらわれた牧神。ウズラを3羽捕まえて食べてしまった」とドビュッシーにちなんで詩を贈った。世代を超えて職人芸が受け継がれる古都の味を、喜劇王はこよなく愛したのだった。(大野裕之)

 

■大野裕之(おおの・ひろゆき) 脚本家、演出家。1974年、大阪府生まれ。京都大学在学中に劇団「とっても便利」を旗揚げ。日本チャップリン協会会長。脚本・プロデュースを担当した映画に『太秦ライムライト』(第18回ファンタジア国際映画祭最優秀作品賞)、『葬式の名人』。主著に『チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦』(岩波書店)など。

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