記事詳細

【ぼくらの90年代音楽論 30年前の「音楽」の「普通」】大谷能生×速水健朗(3) 90年代に始まった「再評価」ブームとは (2/2ページ)

速水:そうそう。90年代に「再評価ブーム」がはじまる。いわゆる「Q盤」とか廉価の過去の名盤発掘の流れで初めて聞くものは多かったよね。歌謡曲も、和モノになっていくでしょ。スチャダラパーが「ナッツ、ナツい、NUTS」みたなことを言ってて、「太陽にほえろ!」のテーマ曲をブレイクビーツに使ってたり、クボタタケシがかける歌謡曲が、中古レコード屋のラベルの”和モノ”って言葉として定着していったり。

大谷:LB(Little Bird Nation)とか聞いてたんだ。

速水:当時下北沢に住んでて、居酒屋でバイトしてたんだけど、そこが(東京)No1ソウルセットがライブ前とかにメシを食いに来る店だったの。バイト終わってからLB祭りを見に行ったりしていた。あれは1993,4年かな。ギリギリZOOを知っていて、そのあとスリッツに変わるくらいかな。あと、自分でアナログのレコードを買い始めるのも1990年代半ば。10万貯めてターンテーブル買って。主に80年代の歌謡曲のレコードとか買ってた。

大谷:なるほど。

速水:音楽ががんがん売れる時代で、同時に過去のものも同時に消費され初めた時代。あ、もう締めな感じ? 今日は本当は、90年代になぜ日本が遅れてきたユーロビート大国になったのか、avex trax のマックス松浦と小室哲哉の話とかをしたかったのに残念。TRFのSAMは、ラリー・レヴァン周辺のガラージュに詳しいニューヨーク帰りのダンサーだったのに、なぜかユーロビートと悪魔合体してしまい…っていうね。また今度(笑)。(終わり)

■速水健朗(はやみず けんろう) ライター。都市論、メディア論がテーマ。主な著書に大谷能生、矢野利裕との共著『ジャニ研 TWENTY TWENTY』単著に『1995年』(ちくま新書)、『東京どこに住む』(朝日新書)など。TOKYO FM『東京SLOW NEWS』(月~木)を担当。

■大谷能生(おおたに よしお) 音楽と批評。ミュージシャンとしてジャズを中心に、さまざまなバンドやセッションで活動。著作としては『平成日本の音楽の教科書』、『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』、『東京大学のアルバート・アイラー』(菊地成孔との共著)、『日本ジャズの誕生』(瀬川昌久との共著)、『身体と言葉』(山縣太一との共著)など多数。