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財前五郎、吉良上野介、冬彦さん… 名ドラマの名ヒールたち (4/5ページ)

 「美和が離婚を決意するのも当然ですが、冬彦本人に悪気はなくて、とにかく一途。だからこそ余計に怖かった」(同前)

 また1990年代には野島伸司脚本のドラマが印象に残る悪役を生み出した。

 『高校教師』(1993年・TBS系)で、教え子をレイプしたうえビデオを隠し撮りした、英語教師の藤村知樹(京本政樹)。

 同じく学校を舞台にした『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(1994年・TBS系)には、堂本剛が演じる生徒を孤立させ、自殺に追い込む社会科教師・新見悦男(加勢大周)が登場する。

 「野島作品には、“実はいい人だった”という救いがなく、本当に嫌われる悪役がいた。政治家や警察の上層部といった“巨悪”ではなく、身近なところにいる悪を最大化させる手法が上手かった」(テレビ解説者の木村隆志氏)

 近年のドラマでは、『半沢直樹』の大和田をはじめ、どこか“憎めない悪役”が増えている。木村氏がそうしたタイプの代表として挙げたのは、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(2012年・テレビ朝日系)に登場する東帝大学病院病院長の蛭間重勝(西田敏行)だ。

 「温和そうな顔をして、裏切り者はバッサリと切り捨てる冷血漢。主人公・大門未知子(米倉涼子)に積年の恨みを抱いているが、いつも“返り討ち”にされてしまうのがお決まりのパターン。

 はじめは憎らしかったのに、“ヘタレ”な面があるから愛されキャラになっていく。こうした描き方の変化は、シリーズものならではの面白さです」(木村氏)

 石川氏が“憎めない悪役”として挙げるのは、『下町ロケット』(2015年・TBS系)の水原重治(木下ほうか)だ。

NEWSポストセブン

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