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【中本裕己 エンタなう】時間を超えた不思議な体験を「考えずに感じる」 映画「TENET テネット」

 脳内から宇宙空間まで独自の“尺度”で解釈し、「インセプション」「インターステラー」「ダンケルク」など話題作を次々と送り出す鬼才クリストファー・ノーラン監督。オリジナル脚本による最新作「TENET テネット」(公開中)は、とりわけ難解なアクションサスペンスだ。まずは、「考えずに感じる」つもりで着席しても十分楽しめる。

 ストーリーをひとことで言えば、「現在から未来へと進む“時間軸”から脱出する」というミッションを課せられた「名も無き男」が、人類滅亡の危機に立ち向かう話。

 いきなり緊迫した場面から始まる。キエフのオペラハウスでテロ事件が発生。スパイ救出のため特殊部隊に偽装したCIA工作員の男がロシア人に捕らえられ拷問にかけられる。男は自決用の毒薬を飲むが、実際は睡眠薬で、真のミッションへの入口だった。

 前半は「007」や「ミッション:インポッシブル」のように、だれが敵か味方か。黒幕にたどりつけるかという謎解きの妙味でグイグイと進行。男の使命がうっすらと分かる中盤から、過去・現在・未来を行き交う“時間軸”が複雑に絡んでくる。

 「ドラえもん」の“どこでもドア”とは似て非なる秘密の道具も登場、主人公とともに未知なる世界に飛び込んで、頭の混乱を楽しむしかない。名優デンゼル・ワシントンの息子ジョン・デビッド・ワシントンが主演。タフな役柄を見事にこなしている。(中本裕己)

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