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【織田哲郎 あれからこれから】中島みゆきさんはこの世の無常すら慈しむ唯一無二の巫女である (1/2ページ)

 2013年、私は『W FACE』というアルバムをリリースしました。その中の『Winter Song』という曲で、初めて中島みゆきさんに作詞をお願いしています。

 かなり昔から公言しているので、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、私は中島みゆきさんのファンです。特に接点もなく、それまで自分も音楽家として一緒に何かを作るなどということに一切思い至ることもなく、ただの一ファンとして彼女の音楽を聴いていました。

 『おどるポンポコリン』を歌っていたB.B.クィーンズのボーカルである坪倉唯子さんは、古くからずっと中島みゆきさんのライブでコーラスを担当していました。

 彼女と私は行きつけのバーがほとんどかぶっている飲み仲間だったのですが、ある夜ばったりバーで会った彼女に、いかに中島みゆきさんの歌が好きかを語っていたら(恥ずかしい酔っ払いです)、「じゃあ作詞をお願いしてみたら」と提案されました。そこで初めて作詞を依頼することを考え始めたのです。

 そして思い切ってお願いしたところ、引き受けていただき、とても素晴らしい作品に仕上がりました。YouTubeに私の公式MVがあるので良かったらぜひ観てみてください。

 彼女の、特に歌詞のすごさとして、私が感じるのは、「個」あるいは「我」を感じないところです。私が曲を作っていても、たまに自分が作ったという感覚がないときがあります。単に自分を通って出てきただけという感じです。そういう作品ほど、多くの共感を得られることが多いです。

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