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【ぴいぷる】落語家・春風亭一之輔 足湯みたいに靴下脱いで…チャポンと癒やし「しようがないよね、つらいときもあるよね、まあ落ち着こうや」 (2/3ページ)

 夜の部は独演会。毎晩1席3連夜のネタおろしという“宿題”が待つ。

 「準備は2カ月前からですが、覚えるのは2、3日あれば大丈夫。散歩のときや寄席への移動中に稽古。家で座布団に座って稽古をするなんて、ここ何年もないですね」

 ネタおろしの高座は達成感となるのか、疲労感となるのかは客の反応次第。ただ、ネタおろしが完成形ではないとは自覚している。

 「仕込んだ噺を初めてやる高座は、まずはこんな感じという機会でしかない。本当の持ちネタになるかはその後が肝心。向いてないと思い込んでいた噺や直感的に避けていた噺も、実際にやってみるとハマることもありますし」

 膨大な量のネタの数はこの3夜で218に増える。ただ多ければいいというわけではない。

 「数じゃなくて、鮮度ですから。先代の(三遊亭)圓歌師匠は、ネタはひとつっきりで常に爆笑を巻き起こす。芸人はそれが一番。私は、この先もネタおろしして、50歳を過ぎたらふるいにかけていくんじゃないかな」

 この春、コロナ禍で演芸場が休演したため、YouTubeで落語を10日間連続で生配信。連日、リアルタイムで1万人以上が視聴した。

 「やっと寄席が再開したとき、初めて来る人が多くなったのを感じましたよ。紙切りさんの技への客席の沸き方で分かるんですよ。やっぱり落語のメインは生ライブ。でも地方や海外の方は見ることができないので、そこに届けるためにも配信は必要じゃないかな。両輪でやっていかないとね。ひとりがしゃべって映るという落語は配信に向いている。これが単純な芸の強みかな」

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