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【酒井政利 時代のサカイ目】コロナ禍で広がる音楽交流 70・80年代の邦楽に世界から熱視線 (2/2ページ)

 ちなみに彼女はユーチューバー活動の前は専門学校でロボット工学を教えていたという。

 レイニッチのカバーで火がついた本家、松原の『真夜中-』もSpotifyでこの1年間の再生回数はトータル460万回、Apple Musicでは100万回を超えた。

 大阪生まれの松原はジャズ歌手の母親の影響で3歳からジャズに親しみ、高3で歌手を目指して単身上京。米軍キャンプや六本木のジャズスポットに飛び入り出演するうち、79年に『真夜中-』でデビュー。若い世代を中心にヒットし音楽新人賞を多数受賞。

 90年代には歌手活動を休止し、結婚。その後、CMやアニメを中心に作曲活動をしていたが、残念ながら2004年に44歳で、がんで死去した。

 『真夜中のドア』にかぎらず、日本の70、80年代のシティポップが近年海外で注目されている。竹内まりやの『プラスティック・ラブ』はYouTubeで再生回数が2000万回を超え、佐藤博の『Orient』や矢野顕子の『ただいま。』などのアナログ盤で海外で復刻されている。

 テレビ東京の人気番組『YOUは何しに日本へ?』では、大貫妙子の『SUNSHOWER』や山下達郎の『FOR YOU』を購入しようと来日した外国人が登場し反響を呼ぶなど日本のシティポップは大きなムーブメントとなっている。英国メディアは高田みどりの『鏡の向こう側』や清水靖晃の『案山子』が“海外レーベルによるリバイバルの流れを加速させた”としている。

 いい楽曲は時代を越えて、世界へとひろがりをみせる。

 ■酒井政利(さかい・まさとし) 南沙織、郷ひろみ、山口百恵、キャンディーズ、矢沢永吉ら300人余をプロデュースし、その売上累計は約8700億円。『愛と死をみつめて』『魅せられて』で2度の日本レコード大賞を受賞した。2020年度文化功労者を受章。

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