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【立川志らべ 週間BSマップ】「江戸」と「上方」比べたら…2人の落語家が同じネタ披露する「御法度落語おなじはなし寄席!」〈1月9日(土)午後5時 BS朝日〉

 コロナ禍によってエンターテイメント界は大変な打撃を受けております。落語家の私も昨年3月後半から6月にかけて、81日間高座に上がらないという前代未聞の日々を過ごしました。その後も仕事は激減で、たまーにある仕事とこちらのコラムを命綱として生きている日々であります。

 ただ、落語家というのは元来のんきなもので、なるようにしかならないという了見が根底にあります。それは落語の中に出てくる人物が風来坊的な気質だからかもしれません。そう、八五郎や熊五郎、与太郎といった人物は人間を救ってくれるのです。

 9日午後5時からBS朝日で放送されるのが、「御法度落語 おなじはなし寄席!」です。2人の落語家を招き、〈おなじはなし〉を演じてもらうという、落語界の常識では考えられない番組です。

 まあ、これを読んでいる方の多くは「ふーん」くらいにしか思わないでしょうが、落語家からしたら、実に過酷な番組ですよ!

 われわれの世界では、寄席など何人もの落語家が出てくる会では、同じネタは当然やりません。それどころか、自分の出番までに与太郎が出てくる噺や、酔っ払いの噺、おなじ構成の噺など被らないものを喋るのがルールなのです。それを同じ噺をやるんですから、実にやりにくいものです。

 今回は、今や東京の落語会の重鎮、柳家さん喬師匠。そして、上方落語界から笑福亭たまさんが出演して、「時そば」を演じます。と言いましても、江戸では「時そば」で、上方落語では「時うどん」と変わってきます。ですからこれは、江戸落語と上方落語を比べるという意味では落語通の人も楽しめます。

 番組後半では、ナビゲーターの千原ジュニアさんとさん喬師匠、たまさんとのトークもあり、より楽しめる内容になっています。

 落語界の御法度をぶち破るという落語家には苦難の番組ですが、コロナ禍で苦しんでいる落語家を見にきて欲しい!(立川志らべ)

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