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【中本裕己 エンタなう】現実と重なるウイルスの恐怖と人間の醜さ 映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」

 ゾンビ映画の“常識”を覆す衝撃的なサスペンスとして各国の映画祭で絶賛された前作「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後の世界を描いた韓国映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」が元日から日本公開された。コロナ禍という現実の下、もはや単なるエンターテインメントとしては楽しめず、いろいろと考えさせられた。

 ウイルスが人間を凶暴化させ崩壊してしまった韓国。香港に逃げ延びた元軍人のジョンソク(カン・ドンウォン)はチームの一員として、再び閉鎖された母国に上陸する。裏社会から大金を積んだトラックを「3日以内」に奪う儲け話を持ちかけられていた。

 ゾンビ化した人間の大群を巻いてトラックを手に入れるが、狂気の民兵集団631部隊に襲われる。ジョンソクを助けたのは軍人時代に見捨てた母娘の生存者だった…。

 アクション映画としては前作以上にスピード感にあふれた“半島脱出ゲーム”で、「マッドマックス」「バイオハザード」「ワイルド・スピード」といった人気映画のおいしいところを取り込んでいる。欧米に倣ったK-POPのような、いわばK-ゾンビ。しかし、人間もしっかり描かれている。

 主人公と共闘する母親役のイ・ジョンヒョンは、アイドル歌手時代の美貌のまますっかりたくましくなった。ウイルスの感染拡大よりも、それを制御しきれず、人間同士が争い合う姿は現実と酷似しすぎていて二重に恐ろしい。(中本裕己)

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