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【歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡】タイアップとは無縁だったが…楽曲もキャラも強すぎたインパクト とにかくコンセプト重視だったプロモーション (1/2ページ)

 来生姉弟(来生えつこ、たかお)を起用した『スローモーション』『セカンド・ラブ』『トワイライト-夕暮れ便り-』の“バラード3部作”、そして作詞家として駆け出しだった売野雅勇を抜擢(ばってき)しての『少女A』『1/2の神話』で、一躍スターダムにのし上がった中森明菜だが、デビュー以来、テレビドラマの主題歌やCMといったタイアップとはまったく無縁だった。

 当時を知る音楽関係者は、とかく比較された松田聖子を例に出し、「聖子の場合、デビュー曲『裸足の季節』は化粧品メーカー、資生堂の洗顔クリーム『エクボ』のイメージソングでしたが、彼女にエクボがなかったため、CMには起用されなかったといいます。しかし当時、所属事務所だったサンミュージックの相澤秀禎社長(当時)が懇願して曲は使用することが決まったそうです。ただ画面に聖子の名前が出なかったため視聴者からは『歌っているのは誰?』と問い合わせが殺到、いわばCMとの相乗効果で聖子は注目されるようになったのです。このCM曲は、その後も『風は秋色』や『夏の扉』に引き継がれました」と話す。

 その上で「振り返ってみると、いわゆる“花の82年組”といわれるアイドルでも松本伊代や早見優、不倫疑惑で話題となった八代目中村芝翫の妻で、その神対応が注目される三田寛子らはタイアップ曲がありましたが、小泉今日子、石川秀美、堀ちえみ、ジャニーズのシブがき隊も含めほとんどが楽曲のみの勝負でした。結局、テレビの音楽番組やラジオのリクエスト番組が盛んだったので新人アイドルの売り出し方にも幅があったのです。もっとも早見は、資生堂の『バスボンヘアコロンシャンプー・リンス』のCMに起用されたこともあって、同期の中では最もタイアップ戦略を優先したと思います。一方、明菜は楽曲のインパクトが強過ぎて、ドラマの主題歌はもちろんのこと、商品CMでは起用しづらい部分があったと思います。しかもバラードとツッパリを交互に出す戦略自体が当時のアイドルにはなく、おそらくタイアップには不向きだったのではないでしょうか」と話す。

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