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【シネマパラダイス】元殺人犯の社会復帰の困難と人々との交流を描く「すばらしき世界」

 元殺人犯の社会復帰の困難と、彼を囲む人々との交流を描く。直木賞作家、佐木隆三のノンフィクション『身分帳』を元に、『ゆれる』『永い言い訳』の西川美和が映画化。自らのオリジナル脚本で撮り続けてきた西川にとって初の原作もの。シカゴ国際映画祭で主演の役所広司が最優秀演技賞を受賞。公開中。2時間6分。

 長い刑期を終え出所した三上(役所)は、身元引受人夫婦(橋爪功、梶芽衣子)に支えられ、新生活をスタートさせる。そんな三上に前科者の社会復帰を面白く番組にしようと、若いテレビマン(仲野太賀)が近づく。

 【ホンネ】前科者だが優しく正義漢で感激屋。同時に短気でけんかっ早い。子供がそのまま年をとったような男の悪戦苦闘を、時にコミカルに演じる役所の演技がまさに白眉! 生い立ちや境遇を知るにつけ胸が苦しくなる。社会は冷たいが、人の情は温かい。見終えた後、タイトルが忘れ難く胸に迫る。★★★★★(映画評論家・折田千鶴子)

 ★5つで満点、☆=星半分

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