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【中本裕己 エンタなう】現代音楽家・日野浩志郎×太鼓芸能集団「鼓童」×豊田利晃監督 魂震えるコラボ戦慄せしめよ/Shiver

 バンドの枠を超えてマルチに活躍する現代音楽家・日野浩志郎と、今年40周年を迎える佐渡島の太鼓芸能集団「鼓童」が、がっぷりと組んだパフォーマンスを映画監督の豊田利晃が活写した音楽映像作品「戦慄せしめよ/Shiver」が今月5日から配信されている。89分間にわたりセリフは一切なく、途切れなく心を震わせるリズムと映像美が続く。

 「鼓童」メンバーからの1通のメールがきっかけで実現したこの作品。昨年12月、記録的な豪雪に見舞われた「鼓童」の拠点、佐渡島で全編が撮影されたという。

 ピンと張りつめた稽古場、日本海の荒波、凍てついた大滝…。「鼓童」が奏でる一糸乱れぬ太鼓の群れは、次々と表情を変えてゆく。秒針を刻む雨音のようにコツコツと忍び寄り、また大地の怒りを表すように力強く、骨太な雄叫びにも聞こえる。これほど多弁な楽器はない。

 日野の音楽は、延々と聴き続けることができるミニマルミュージックの心地よさと、心の小さな揺れ動きも逃さない繊細さを兼ね備える。それを、冬の海の蒼さ、うねりの鈍色など、「色のついた映像」として豊田監督が切り取ってゆく。

 佐渡島で暮らし活動する「鼓童」の肌感覚は、島国に住む我々の原点に近い。その自然美の興奮をイヤホンの両耳から追体験。コロナ禍で一息つけるように感じた。

 Vimeoほか各映像配信プラットフォームで有料(1000円)配信中。 (中本裕己)

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