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【「青天を衝け」楽しむためのキーパーソン】尾高惇忠 水戸学に傾倒、頭脳明晰で渋沢の恩師 (2/2ページ)

 それにしても尾高家の闘志はすごい。惇忠は明治元(1868)年に喜作らと彰義隊を創設し、脱退後は振武軍を結成したが、官軍に敗れた。

 その後、民部省の役人となって官営富岡製糸場の建設予定地の選定から関わり、初代場長に就任。惇忠の長女ゆうは、女性工員第1号として父を助けている。明治9(1876)年に製糸場を退官した惇忠は、国立第一銀行盛岡・仙台支店に勤務した。

 一方、平九郎は渋沢の養子となったが、振武隊に参加して敗走中、惇忠とはぐれ、親しい人たちに2度と会うことはできなかった。長七郎も長く生きることはかなわなかった。

 激動の時代に翻弄された尾高ブラザーズ。過去の作品では、西田敏行が渋沢を演じた1978年のTBSドラマ『雲を翔びこせ』で惇忠・柴俊夫、長七郎・Char、平九郎・川崎麻世という異色の顔ぶれが、日本中を駆け回った。

 「青天」の田辺、満島、岡田も二枚目ぞろいで、吉沢・高良のコンビとともにファンを魅了するはず。兄弟の絆と過酷な運命を、生き残った惇忠と渋沢がどう語るのか。見せ場のひとつとなる。 (時代劇コラムニスト・ペリー荻野)

 ■田辺誠一(たなべ・せいいち) 1969年4月3日生まれ、51歳。東京都出身。87年、モデルデビュー。92年、俳優デビュー。2002年、女優の大塚寧々と結婚。