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【司馬遼太郎をもっと知りたい】「梟の城」 従来の忍者映画超えるアクションかつ唯一のメロドラマ、新聞記者から専業作家となる契機に (1/2ページ)

 『梟の城』は「闇に生まれ、闇に死ぬ」忍者をフクロウのごとき存在と位置づけた司馬遼太郎初の長編。1960年前期の直木賞を受賞し、新聞記者だった司馬が専業作家になる契機となった。

 舞台は老年の豊臣秀吉が栄誉栄華を極めたころ。その暗殺を依頼された伊賀随一の忍び、葛籠(つづら)重蔵の暗闘を描く。60年に東映で大友柳太朗主演で映画化されたが、99年、篠田正浩監督、中井貴一主演で再映画化された際には、CGを駆使した都市風景、豪華絢爛(けんらん)な安土桃山の芸能の再現、制作費10億円、制作期間3年というスケールの大きさも話題となった。

 山奥に隠棲する忍者、重蔵(中井)は、天正9年、織田信長軍5万の伊賀攻めによって、肉親を目の前で惨殺された過去を持つ。そこにかつての恩師(山本學)が訪れ、重蔵に驚くべき仕事を持ち込む。それは今井宗久(小沢昭一)から金で請け負った「秀吉暗殺」。その背後には、徳川家康の影が…!?

 軽業師として京に潜入した重蔵の仲間は、秀吉の動きを探る。その中には美しい女忍者の木さる(葉月里緒菜)もいた。重蔵の前には謎めいた美女小萩(鶴田真由)と、行方不明だった元下忍の風間五平(上川隆也)が現れる。五平は虐げられる下忍の立場からはい上がろうと、伊賀の過去を捨てたのだった。

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