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【ぼくらの90年代音楽論 30年前の「音楽」の「普通」】大谷能生×三浦千明(2) ヒットしている音楽が共通の「娯楽」だった (2/3ページ)

大谷:J-POP大隆盛時代ですよね。宇多田ヒカルのデビューが、98年あたりで。

千明:同い年なんですよ。私、宇多田さんと。宇多田世代、倉木麻衣世代(笑)。あと相葉(雅樹:嵐)くんも。嵐の結成とかね、結成前から、ジュニア時代から、BSでやってた番組とか必ずチェックしてた。V6、嵐、あと、Kinkiのデビューとかは中学生くらいですかね。これが全部だいたい90年代後半の出来事。

大谷:そうかー、SMAPのTV進出大成功を受けて、ジャニーズ事務所がどんどん大きくなっていった時代に10代だった訳ですね。

千明:そうです。タッキーが一つか、二つ上で、いわゆる「ジュニア黄金時代」。私たちは、ジュニアを子供時代からすごい見てて、彼らがデビューしてゆくのに立ち会うというか、見守るというか(笑)。V6がデビューするときに、坂本くんとかもう26歳くらいだったんですよ。でも、こっちはまだ子供なんで、その時は「あんなおじさんと組ませるなんてヒドイ」って思ってた(笑)。

大谷:カミセン側、森田くん側の人間としては(笑)。えーと、ジャニーズのアイドルをそうやって、同級生でキャーキャー言いながら話題にするっていうのは、普通な感じだった?

千明:そうですねえ。私はちょっと、ラジオっ子だったのもあって、アイドルにそんな激ハマりするっていうよりは、距離があったけど、日常的にクラスでジャニーズの会話はあった。教室に普通に「MYOJO」とかジャニーズ雑誌が置いてあったし。知らないと若干、クラスでノーマルに生きて行くのには必要な話題ではありましたね。すごい好きな子がいる、っていうよりは、もう、普通にあるもの、みたいな。

大谷:なるほど。ウチらの10代とはかかなり違いますね。

千明:その頃から、みんなが「誰推し」みたいなのは普通にあった。

大谷:ジャニーズの話に限らず、音楽自体が共通の話題として、クラスでずっと、高校生くらいの頃は一般的な話題としてみんなの中にあった、ってことですかね。

千明:特に、私は自ら音楽を摂取しに行くような人ではあったんだけど、時代としてみんなポップスは避けられなかったんじゃないかな。その頃は、会話のきっかけとして、「最近聴いている曲ある?」って聴かれたら、多分、みんな何かしら「これこれ聴いてる」みたいな返事が出来たと思うんですよ。相当変わった、TV見せてもらえないとか、習い事がめちゃくちゃ大変って人じゃない限り、流行ってる音楽は、「みんなが知ってる」って前提で大丈夫だった。