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【元文春エース記者 竜太郎が見た!】静かに去って行った田中邦衛さん 素朴で純粋な面影は私たちの記憶に生き続ける (2/2ページ)

 日本映画の多くのスターが鬼籍に入る中、同時代を歩んできた田中さんのインタビューをぜひしたいと文春時代からオファーしていたが、結果、かなわなかった。

 12年に『北の国から』の中畑のおじさん、盟友・地井武男さんが亡くなった際には、田中さんはお別れの会の発起人として名を連ね、祭壇の遺影に向かって「おいらまだ信じられない」「会いたいよ!地井兄(にい)、会いたいよ!」と語りかけた。このときの姿が、公の場に立つ最後となった。

 「仕事の依頼はありましたが、体力的な理由ですべて断っていたといいます。14年に心酔していた高倉健さんが亡くなったときも、コメントはありませんでした」(映画記者)

 シャイで真面目だった田中さん。黒板五郎と重なるような、素朴で純粋な面影は、私たちの記憶に永遠に生き続けるだろう。合掌。

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋『週刊文春』編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に著書『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』(文藝春秋)を出版。

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