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【鎮目博道 テレビ用語の基礎知識】「楽屋落ち」 バブルだったからこそ面白かった制作の「楽屋裏事情」ネタ (2/2ページ)

 で、それがとても面白かった。それはなぜかというと多分「テレビが憧れの世界だったから」「バブルだったから」じゃないかと思うんです。きらびやかで流行の先端をいっている、面白い人たちが集う場所が「テレビ業界」だったからこそ、視聴者はそんな「キラキラした世界」の裏側を少しのぞき見した気分になることでドキドキできた。だから楽屋落ちは面白かったんじゃないかなと。

 でも残念ながら今、テレビ業界は「憧れの世界」でしょうか? 多分違いますよね。むしろ批判されることも多かったり、斜陽産業としてのイメージも強い。憧れじゃない業界の裏側を見せるような「楽屋落ちネタ」は魅力的じゃなくて当然です。

 じゃあこれからはどんな演出が効くのか? 難しいですが「自分をさらけ出す」演出なのかもしれません。正直に「ロケが失敗したときには、ごまかさずに失敗しましたという」みたいなリアルさは通じるような気がします。

 現代の視聴者には「楽屋落ち」より「台所事情」をさらけ出すような「リアルなぶっちゃけ」が受け入れられるような気がしますが…、どうでしょう?

 ■鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。上智大学文学部新聞学科非常勤講師。1992年テレビ朝日入社。スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などを企画・プロデュース。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える! 「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版)。

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