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【中本裕己 エンタなう】悪女に翻弄されるイノセントな少年の哀れな末路… 映画「ドリームランド」

 アメリカの田舎町で17歳のイノセントな少年が悶々と暮らしている。映画で描かれるイノセントは、無垢、純真、幼稚、無知、そして童貞とも訳せる。美しき指名手配犯にメロメロになった先に少年は何を見るのか。映画「ドリームランド」(公開中)は、そのタイトルが、男にとっては甘酸っぱく、滑稽で哀れだ。

 世界恐慌下の1930年代半ば、テキサス州の荒廃した土地で暮らす反抗期のユージンは、納屋で大ケガを負ったセクシーな女性と出くわす。地元の銀行を襲撃し、追われる身の強盗犯アリソンだった。危険を承知で匿うことにしたユージンは、彼女の血まみれの太ももから震える手で実弾を取り出す。やがて2人は手に手を取って、捜査網をかいくぐり、メキシコへと車を飛ばす。年の差を超え、男なら一度は夢見る出口のないアヴァンチュールのひとときを過ごすが…。

 脚本に惚れ込み、製作・主演を兼ねて映画化を実現したのは「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」「スキャンダル」で2度のオスカー候補となり「スーサイド・スクワッド」でも人気沸騰のマーゴット・ロビー。悪女はまさに当たり役だ。不器用に尖ってみせ、青臭い性の目覚めを上手に漂わせるユージン役のフィン・コールは、Netflixのドラマなどで台頭する注目株。

 「俺たちに明日はない」のボニー&クライドを連想させ、大砂嵐の場面では「怒りの葡萄」のオマージュも。小粋に楽しめる。(中本裕己)

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