記事詳細

【大人のエンタメ】ゲーム感覚で知識が深まる優れた案内書 川本三郎『映画のメリーゴーラウンド』 (1/2ページ)

 映画の見方は千差万別だから、人それぞれ面白く感じる作品が異なるのは当然である。が、優れた映画評論家の本(例えば、双葉十三郎氏の『ぼくの採点表』など)が推薦している作品を見れば、多少の好き嫌いはあってもまず損はしない。この度、映画批評の名手川本三郎氏が、ひさしぶりに本を出版したので紹介する。

 本のタイトルは『映画のメリーゴーラウンド』(文藝春秋社)。『ぴあ』アプリ版に掲載した文章をまとめたものという。私は掲載時に読んでおらず、氏の新しい映画批評に接した気分で楽しませていただいた。

 最近は、大手マスコミで、いい加減な映画解説が垂れ流されているから安心して読める映画本は貴重といえるだろう。

 あとがきにあるように本書は「尻とり遊び」「連想ゲーム」のように「遊びの本」なのだが、映画だけでなく幅広い知識を基に書かれているため、並のガイドブックよりも、はるかに手引書として優れている。

 監督ならジョン・フォード、ウディ・アレン、デヴィッド・リーン、成瀬巳喜男、黒澤明、山田洋次。女優なら田中絹代、高峰秀子、マリリン・モンローと多彩な名前が並ぶ。