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【坂上忍の白黒つけて何が悪い】ド直球の定番の良さ、心がほんわかします 「ローズメイカー 奇跡のバラ」 (1/2ページ)

 ほんわかする作品である。

 構成はいたってシンプルで、冒頭の10分ほどでだいたい先が読める展開なのだが、それがかえって心地いいのだ。

 数々の賞を獲得してきたローズメイカーのエヴだが、父親から受け継いだバラ園は倒産寸前の窮地に立たされていた。

 1年後の新品種のコンクールまでになんとか立て直そうとするが、資金は底をついた状態だ。

 すると助手のヴェラが職業訓練所から格安で3人の働き手を連れてくる。しかしバラに関してはズブの素人で、3人のうちの1人は前科者と、先行きは真っ暗。

 ところがエヴと3人は数々の困難を乗り越え、奇跡を起こすのである! とまぁ、ざっくりとこんなストーリーなのですが…。

 定番の良さといいますか、「使い古されたお決まりのパターン」といった言い方もありますが、それのどこが悪いのよと。

 新しく見せるために時間軸をごちゃごちゃにして今っぽく見せるのもひとつの手ならば、ド直球の潔さもあるわけです。

 金にモノをいわせて賞を総なめにしている巨大バラ園に対し、潰れかけのしがないバラ園が素人集団とともに一発逆転を果たす、サクセス・ストーリー。

 現実の世界ではなかなかどうして思い通りに行かなくても、こんな映画があるから夢を見ることができる。チャレンジする意欲が湧いてくる。

 人の心を動かすのはお金→資金力ではなく、誠実さや情熱なんだと。

 きれいごとに聞こえようが、そんなことを気にする必要はないんです。まずは思いついたことをやってみる。行動に移すということが大事なんだと。

 主人公のエヴを演じているカトリーヌ・フロさんがいいんですよ。

 まぁ、セザール賞に10回ノミネートされ、2回も受賞している方ですから当たり前なんですが、とにかく親しみやすい雰囲気にあふれていて、気がついたら応援しちゃってるんです。

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